超高齢化が進む我が国では2025年に認知症患者は730万人に達し、高齢者の5人に1人が発症すると推計されています。
今や、そのまま放置すると数年後には約半数が認知症に移行すると言われる軽度認知障害、いわゆる『認知症予備群』を含め、「認知症1000万人時代」と言われています。
「最もなりたくない病気」とされる認知症は、65歳を過ぎると発症する危険度が高まりますが、アルツハイマー型認知症の原因物質、「アミロイドβタンパク」が溜まり始めるのは、認知症発症の遙か20~30年も前からだと言うことも明らかになってきました。
研究の進んだ現在では認知症は「予防可能」な病気であるとされていますが、何よりも『早期発見』が大切で、「予備群」の段階での対応が不可欠です。
認知症を「訳が分からなくなる病気」と恐れることなく、正しく理解し、的確な対応の普及を図ることがこれからの社会に求められています。
私たちは第一線の認知症臨床医の知見をもとに、認知症予防に関するさまざまな取り組みを紹介し、今後ますます進む高齢社会への備えを図って参ります。
※本稿はJAF MATE社刊『認知症は怖くない2』の内容を再編集しました。